島根県浜田市の浜田市世界こども美術館です。

『海』とあそぶアート展の記録

2024年『海とあそぶアート展』

本年はプロジェクトの3年目「海とあそぶアート展」を開催。6組のアーティストを迎え、海をテーマに掲げた遊びを入口に、アートを介在とした海とふれあうことで、海を取り巻く環境問題について考えてもらえるような展示構成を試みました。

4部屋ある展示室では「森」「川」「海」のつながりを紹介したインスタレーション作品、漂着物や海洋プラスチックに着目し海の困りごとについて知ってもらう作品、一度役目を終えた古着を新しい形につくり替えた作品、「海」をメディアアートで表現したインタラクティブ作品を紹介しました。多様なアート作品との出会いや体験は、子ども達へ新しい発見をもたらし、創造することの大切さを感じてもらうとともに、海の魅力と環境の大切さを考えるひとつのメッセージになったことでしょう。

2024年の夏、こども美術館がアートな海に変身した様子をご覧ください。

■会期/2024年7月13日(土)~9月23日(月・振)
■主催/公益財団法人浜田市教育文化振興事業団(浜田市世界こども美術館)
■後援/浜田市、浜田市教育委員会
■共催/日本海テレビ
■助成/一般財団法人地域創造
■協力/東京工芸大学-芸術学部-インタラクティブアート研究室

展示室

吉竹宏泰+関野宏子
Yoshitake Hiroyasu+Sekino Hiroko
第1展示室
「海」のはじまりを知っていますか?最初の部屋では、過去2年間の展覧会で紹介した「森」と「川」のつながりを5つのあそびを通して振り返ることができました。
空間を自由自在にインスタレーションすることが得意な作家と、木でユニークな玩具を制作している作家のコラボレーション。浜田の木で制作した木の幹にフェルトで葉っぱをつくって森を育てる体験や、カラフルなビー玉を水に見立てて、木のレール(川)に流して遊ぶ体験など、「森」から生まれた水が「川」をつくり、流れついた先に「海」があることを楽しみながら学ぶことができる仕掛けです。

小山一馬
Koyama Kazuma
第2展示室-1
海にあそびに行くといろんな発見が待っている!小山さんの作品には、太平洋側の海(千葉県や神奈川県など)で集めた漂着物や廃材が使われています。木や鉄、ガラス、プラスチック、ダンボール…。“いろんな素材を組み合わせたり、並べたりするだけで、ひとつの作品になることを知って欲しい”という小山さんの願いが込められています。素材をじっくりと観察してもらうため、ワークシートを用意しました。作品にちなんだ5つのクイズに挑戦する子ども達は、真剣なまなざしで作品と向き合っていました。
sobolon
ソボロン
第2展示室-2
この作品は主に浜田の海岸で拾い集められた海洋プラスチックで制作されました。展覧会が始まる前の3月から7月上旬にかけて、美術館スタッフは浜田で海岸清掃に取り組む企業や団体のボランティア活動に参加。海岸に打ち上げられた様々な海洋プラスチックを収集し、sobolonさんのアトリエにお送りしました。カラフルなプラスチックの色を活かし表現された大きなクジラとカメ。その横には、浜田の海でよく獲れるカレイとノドグロも形づくられています。生き物達がのひのびと元気に泳ぐ様子が表現されていました。
武藤亜希子
Mutou Akiko
第3展示室
《海の庭 H+A+M+A+D+A》は浜田の海をテーマに制作されたインスタレーション作品です。巨大なイカが足を長くのばして、展示室の海の中をスイスイと泳いでいます。この作品は、2018年に浜田市民から提供いただいた子どもの古着でつくられました。布ブロックに付いているスナップの凸と凹をつなげるとイカの足を長くのばすことができ、イカはまるで生きているかのようです。日々、形が変化するユニークな海の世界が広がりました。
浅野耕平・美田翼・東京工芸大学芸術学部インタラクティブアート研究室(稲田祐大・高野真子・難波栞子・田浦愛)
第4展示室
海とイマジネーションがテーマの空間。海をながめていると、どんなことを感じたり、考えたりするでしょうか。「海の水がなかったら?」「波がふしぎな形をしていたら?」…いろんな考えがわいてくるのではないでしょうか。メディアアートで表現された7つの作品の体験は“想像することはおもしろい”ということを子ども達に感じてもらいたいという思いが込められています。
マキコムズ
Makikoms
1F創作室
8月1日(木)~9月1日(日)の1カ月限定で、こども美術館の創作室が“海”の世界に変身!廃材でつくられたクラゲ、エイ、タイ、イカなど、様々な海の生きもの達が空間を彩りました。銀色の保冷シートでつくられた深海魚は形もユニークで、生きものの多様性を感じることができました。梱包材でつくられたジンベイザメの体長は約5m、大きな体で悠々と海を泳いでいるかのようです。このジンベイザメは、ゴム手袋やペットボトルを飲み込もうとする瞬間が表現され、美しさだけでなく、海の困りごとについても考えるような工夫が散りばめられた空間になりました。
 

ワークショップなど

海の森(指導:武藤亜希子)
6月11日・12日/三階小学校-2年1組18人・2組17人

武藤さんが事前にカットし準備した厚紙に、子ども達は家から持参した思い思いの包装紙や色紙を貼り付けてパーツを制作しました。最後に友達とパーツを連結すると…、サンゴや海藻の様に大きく成長!明るく賑やかな作品が完成しました。

海洋プラスチックでアクセサリー(指導:sobolonソボロン)
7月13日(土)

カラフルな海洋プラスチックをレジン液で固めて、おしゃれな指輪づくりに挑戦しました。夏らしくキュートな作品が続々と誕生しました。
【1回目13:00~14:30・15人参加/2回目15:00~16:30・15人参加】

フリースでアニマルづくり(指導:関野宏子)
7月13日(土)17:30-19:00

フリースのハギレを使って、クネクネ動くかわいい動物づくりに挑戦しました。カラフルに飾り付けたり、空想の生き物を作ったり…。子ども達の手によってユニークな動物がたくさん完成しました。
【142人参加(保護者込み)】

チバウミサマをリユースしよう(指導:小山一馬)
9月23(月)13:00-16:00

展示作品「チバウミサマ」を大胆にリユースして、ブローチに変身させるワークショップを実施。廃材で制作された「チバウミサマ」は、子ども達の手によりさらにリユースされてオリジナリティ溢れるブローチに姿を変えました。
【35人参加(保護者込み)】

地域交流
小学校・保育園・幼稚園・こども園との連携

浜田市内の保育園・幼稚園、小学校と連携しワークショップを実施。当館学芸員が指導を行い、“海”をテーマに制作しました。小学生は、学校ごとに異なる素材をつかって、それぞれ熱帯魚・ウミガメ・チョウチンアンコウ・深海魚づくりに挑戦!幼児は、紙皿やビニール袋をつかってカラフルな魚を表現しました。完成した作品は館内で展示し、多くのお客さまに楽しんでいただきました。

■全体参加人数/328人
小学校/4校《光る海の生き物をつくろう!》
保育園・幼稚園・こども園/14園《透明な魚をつくろう!》《紙皿で巨大な魚!》

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