うつ きざむ こする 渡邉紳二の鉄の作品
1997年2月1日(土)-3月23日(日)
同時代を生きる作家がつくりだす新たな表現の可能性と、その魅力を紹介する企画展として『うつ・きざむ・こする ―渡邉紳二の鉄の作品』展を開催します。
渡邉氏はこれまで、金属を用いた立体で空間を構成するとともに、観客との関係性を重視した作品を発表してきました。’93年におこなわれた個展(ギャラリーなつか/東京・銀座)では、展覧会場を訪れた観客が銅板に思い思いの絵やメッセージを描き、後に作家がそれを版画にして各人に送付するという試みがなされました。そして次の個展の際に、その時の参加者ひとりひとりを象徴するブロンズの作品が壁一面に展示されたのです。単にでき上がった作品を鑑賞するだけでなく、創造の過程に観客が介在する、本展はこうした制作意図に連なるものです。
今回の作品は、鉄でできたテーブルと椅子の形状をしています。子どもたちは椅子に座り、そこにつながれた刻印とハンマーを使って、テーブルの上に文字や数字を刻みつけていきます。刻印を打つことによって音が響き、そこには日々新たな表情が生まれてきます。さらに作家は、子どもたちが残した痕跡をフロッタージュ(鉛筆による擦り出し手法)で紙に写しとり、平面作品へと変容させます。
みることから創ることへ。本展では、自らの行為によって変化していくプロセスを作家と共有することができます。
どうぞご参加ください。
◆開館時間…午前9:30~午後5:00 (最終入館は午後4:30まで)
◆休 館 日…毎週月曜日、2/12、3/21
◇会 場/浜田市世界こども美術館
[主 催] 浜田市/浜田市教育委員会/財団法人浜田市教育文化振興事業団
◆観覧料/
一 般 300円 (200円)
高校・大学生 200円(100円)
小・中学生 100円 (50円)
※( )内は20名以上の団体料金
渡邉紳二 プロフィール
1956年、福岡県小倉市に生まれる。’83年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業し、’85年同大学院美術研究科を修了。在学中から、ルナミ画廊、ギャラリーなつかなど、東京の現代美術を紹介する主要な画廊でほぼ毎年個展をおこなう。その他、美術館での企画展や野外彫刻展等にも多数参加。 |