島根県浜田市の浜田市世界こども美術館です。

『川』とあそぶアート展の記録

2022年『川とあそぶアート展』



廃材ダンボール、ゴミや漂流物、浜田市内の工場から出た布などを使用した廃材アート。最新機器を使用したメディアアート。約30mの展示壁面を浜田川に見立てたインスタレーション作品など、“川”をテーマに6組のアーティストが制作した様々なアート作品を紹介。作品をみるだけでなく、さわったり、つくったりして、楽しみながら“川”の大切さ、そして自然環境について思いを巡らせる展覧会として構成しました。
また、浜田市内の中心部を流れる浜田川をモチーフにし、浜田の景観をジオラマにした《浜田川ビレッジ》を1階・創作室に設置。実際に水が流れる“川”の上に、自分のつくった船を浮かべてあそぶことができるユニークな作品でした。
本展を通して、子どもを中心に様々な世代の方々に地域の自然環境や“川”の重要性を感じてもらうきっかけづくりを創出しました。

■会期/2022年7月9日(土)~9月25日(日)
■主催/公益財団法人浜田市教育文化振興事業団(浜田市世界こども美術館)
■後援/浜田市、浜田市教育委員会
■共催/日本海テレビ
■助成/一般財団法人地域創造
■協力/東京工芸大学 芸術学部 インタラクティブアート研究室、ユカリアート

展示室

小山一馬
Koyama Kazuma
第1展示室
《浜田川とそこに住むなかまたちのこと。》
絵本のような作品をみながらワークシートに挑戦。川にまつわるおはなしと連動したクイズが8問出題され、浜田川の源流や川に生息する生き物についてなど、川の環境を考える仕掛けを取り入れました。また、廃材ダンボールで魚をつくってかざるワークショップコーナも設置し、一度役目を果たした素材をリユースすることができました。
マキコムズ
Makikoms
第2展示室
展示空間全体を“川”に見立てた演出《つりわけ川》。子ども達は川に釣り竿をたらして、川の生き物を釣ってあそびました。つりわけ川にはアユなどの在来種もいれば、アメリカザリガニやアカミミガメといった外来種、さらには空き缶やペットボトルなどのゴミも釣れます。釣った生き物などは川へリリースしたり、分別コーナーでゴミ箱に捨てたりして、川の困った問題を解決するために行動する大切さを学んでもらいました。
制作の材料には、浜田市や神戸市の工場や企業などから提供いただいた、廃棄される布やビーチサンダルのゴム製品などが使用されました。
plaplax
プラプラックス
第2展示室
川の石を使ったデジタルアートが楽しめました。《ゴロゴロなるロゴス》は、床に映し出された石の映像の上を歩くと石がゴロゴロと音を出して動いたり、隠れていた様々な生き物が表れたりするインスタレーション。《イシムシの標本》は、実際の“浜田の川の石”と“日本海の浜辺の石”をどれかひとつ選んで引き出しに入れると、モニターにその石の特徴を宿したユーモラスな名前のついたキャラクターが現れる作品。何気ない川の石ころに目を向けてあそびを発見することのおもしろさを体験してもらいました。
浅野耕平・美田翼・Team111(東京工芸大学芸術学部インタラクティブアート研究室/池田涼香、笹岡昇太郎、田浦愛、田中龍之介、那須野はる、峰岸絵里、佐々木陽菜)
第3展示室
 
雨が降り、川が生まれ、川から海へ水が流れるという「水の循環」を約30mの展示空間で表現した作品。水の循環を考えることに結びつくような、インタラクティブ作品10点を体験することができました。雨を手のひらに映し出したり、光る水をみてみたり、隠れた生き物を探したり、網を穴にいれると魚がたくさん出てきたり…。映像や音で川の様子を表現した、さまざまなあそびが体験できました。
淀川テクニック
Yodogawa Technique
第4展示室
ゴミを素材として作品を生み出すおもしろさをじっくり感じてもらいました。社会が豊かになるにつれ、大量のゴミが生まれていく現実。作品を通して、消費社会の問題点を考えてもらうきっかけにつなげました。淀川のゴミを拾ってつくられた「自転車チヌ」には、自転車・傘・帽子・カセットテープなど衝撃的なゴミの数々が使用されています。モルディブ諸島の大量のプラスチックゴミで制作された「サザレウオ」は、小さな魚が集まってひとつの大きな魚に表現されています。川から流れたゴミはやがて世界の海へも流れつくことを、作品を通して知ってもらいました。
原倫太郎+原游
Hara Rintaro+Hara Yu
1F創作室
《浜田川ビレッジ》は浜田の中心部を流れる浜田川をイメージして設えられた作品。全長約20メートルで、実際に水が流れその上を自分でつくったオリジナルの船を流してあそぶ体験ができました。川の装飾には、こども美術館をはじめ、浜田にある特徴的な建物の浜田マリン大橋、浜田城跡などの彫刻作品が賑やかに配置され、みるのも楽しいユニークな空間が誕生しました。
 
地域交流
保育園・幼稚園・こども園・小学校との連携

浜田市内の保育園・幼稚園、小学校と連携しワークショップを実施。当館学芸員が指導を行い、布のハギレや画用紙の端材を使い、川の大切さや自然環境について考えながら制作に挑戦。できあがった作品は会期中に展示紹介しました。

■全体参加人数/531人
保育園・幼稚園・こども園/14園《川の生き物をつくって魚釣りに挑戦!》
小学校/9校《川の環境問題を考え、廃材で川の生き物をつくろう》

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